せっかく家を建てるのなら、やはりデザイン性の高い家に住みたいものですよね。しかし、どのような家がデザイン性が高いとされるのかよくわからない方も多いでしょう。住宅業界では、どのような家が「デザイン性が高い」「デザイン住宅」といわれるのでしょうか。本記事では、デザイン住宅の特徴とその魅力についてくわしく解説します。

デザイン性が高いってどういうこと？

「デザイン性の高い住宅」とは、外観や内装、間取りなど、住まい全体をひとつのコンセプトに基づいて設計した住宅を指します。単に見た目がおしゃれなだけではなく、暮らしやすさや居心地の良さまで含めてトータルでデザインされている点が特徴です。

とくに注文住宅では、建てる人の好みに合わせて自由に設計できるため、デザイン性と自由度の高さが魅力となります。外観や内装、間取りまで細かく決められるので、自分たちの理想をかたちにしやすいのです。

たとえば、ナチュラルな雰囲気が好きな場合は、床や壁に無垢材を使用し、ぬくもりのある空間に仕上げたり、スタイリッシュな空間が好みの場合は、モノトーンを基調に直線的なデザインを取り入れるなど、好みに応じた空間を実現できます。近年人気のデザインテイストには、シンプルモダン、北欧風、ジャパンディなどがあり、暮らし方や価値観に合わせて自由に選べるのが大きな魅力です。

さらに、外観デザインでは「素材・色・形」の組み合わせが重要です。重厚感を出したいならダークトーンに木目素材をプラス、シャープさを強調したいなら直線的なフォルムや無機質素材を組み合わせると効果的です。

内装においては、照明や家具を含めた統一感がポイント。ナチュラルな木目にあたたかい間接照明を合わせれば落ち着いたリビングになるでしょう。

外観との調和を意識するのも空間全体を引き締める工夫です。照明はデザイン性だけではなく、光の広がり方によって空間の雰囲気を左右するため、機能性とバランスをとることが大切です。

また、間取りでは開放感・採光・視線の抜けを意識することが重要です。吹き抜けや勾配天井で縦の広がりを出したり、L字窓や中庭で光を取り込んだりする工夫で、実際のサイズ以上に広さを感じられる住まいが実現します。

デザイン住宅のメリット・デメリット

デザイン性の高い住宅は「美しさ」と「快適さ」を兼ね備え、住まう人の理想や暮らし方を反映できるのが大きな特徴です。ここでは、そんなデザイン住宅のメリット・デメリットについて解説します。

メリット

デザイン住宅を選ぶ最大のメリットは「オンリーワンの住まい」を実現できることです。パッケージ化された商品住宅と違い、間取り・設備・内装まで好みに合わせて設計可能なので、展示場で理想の家が見つからない人でも、自分だけの家をつくれます。

さらに、狭小地や変形地でも、通風・採光・プライバシーに配慮した設計が可能なのも大きなメリットです。建売住宅のように規格に縛られないため、土地を最大限に活かせます。

また、ライフスタイルに合わせた設計で快適に暮らせるのも利点です。生活動線や収納、設備の配置を自由に計画できるため、デザイン性と居住性を兼ね備えた家づくりが叶います。

デメリット

見た目を優先しすぎると、生活動線が悪くなったり、吹き抜けで冷暖房効率が悪くなったりするケースがあります。つまり、実用性に欠けることがあるのです。

また、ひとつひとつ決める必要があるため、通常の注文住宅よりも完成までに時間を要する場合があります。順調に進めば8～15か月で完成しますが、施主の決断スピードに左右されてしまいます。

さらに、設計者によってはこだわりが強く、施主の意向よりも自分のデザインを優先してしまうケースもあります。依頼前に施工事例を確認し、自分たちの好みに合う設計者を選ぶことが重要です。

デザイン住宅を建てる際の注意点

デザイン住宅を後悔なく建てるためには、以下のポイントを押さえておく必要があります。

具体的なイメージをもつ

契約前に「どんな家を建てたいのか」を具体的にイメージしておくと打ち合わせがスムーズです。ただし流行のデザインは数十年後に古く感じる可能性があるため、なるべく飽きのこないデザインを意識しましょう。

暮らしやすさを優先する

デザインにこだわりすぎて実用性を犠牲にしないよう注意が必要です。家事動線や収納計画など「暮らしやすさ」を念頭に置くことで、長く快適に暮らせる住まいになります。

依頼先は慎重に選ぶ

設計事務所や工務店によって得意分野が異なります。HPの施工事例を確認し、理想に合うかどうかを見極めましょう。

対応のていねいさ、費用の妥当性、アフターフォローの有無もチェックポイントです。

ハウスメーカー選びは自由度重視

大手ハウスメーカーは安心感がありますが、デザインの自由度はやや制限されがちです。地域密着で評判の高い工務店や設計事務所は、自由度が高く細やかな対応が可能です。

スケジュールに余裕をもつ

デザイン住宅は打ち合わせ回数が多くなりがちです。完成希望日がある場合は、契約前にスケジュールを確認し、余裕をもって計画しましょう。

まとめ

デザイン住宅とは、住まい全体をひとつのコンセプトに基づいて設計し、デザイン性と暮らしやすさを両立させた住宅のことです。注文住宅ならではの自由度を活かし、自分たちの理想をかたちにできる点が最大の魅力といえます。ただし、デザインを重視しすぎると実用性が犠牲になったり、完成までに時間がかかったりするデメリットも存在します。後悔を防ぐためには、具体的なイメージをもち、暮らしやすさを重視しながら依頼先を慎重に選ぶことが大切です。理想のデザインと実際の生活をバランスよく考慮すれば、美しく快適で、長く愛着をもって暮らせるマイホームを実現できるでしょう。

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